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俊二氏の『番犬は庭を守る』出版記念トークライブでのことだった。イベントの特典であるサイン付きの新作小説を受け取り座席に座ると、映画を観るときと同様、スクリーンには新作映画の予告編やPVが流れる。ぼんやりと美しい映像に見入っていると、それは突然始まった。 鯨はかつて世界の燃料だった。 一瞬クエスチョンマークが頭に過ったが、何が始まったのかを理解するよりも早く、次の一節が映し出される。とにかく付いていくしかない。声はなく、言葉をつかむタイミングを間違えないように導く音楽が静かに流れる。30分ほどだろうか、最後の一節が消えると再び照明が灯り、岩井氏が現れ種明かしをした。つまり、10ページほどある小説の第一章を丸々「見せた」というわけだ。 映画を観ることとも小説を読むこととも違う、新しい体験がそこにあった。そしてまた、映像も言葉も音楽もつくり出すマルチクリエイターである岩井氏の表現に、「電子書籍のあり方」を考えるヒントが隠されているように思ったのである。

「電子書籍」という名の表現の硬直化について : アゴラ - ライブドアブログ
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